今年は大晦日にはならなかった。例年この時期は紀要を書いている。今回はレビューっぽいもの。
幼保小の架け橋プログラムというのをいろいろなところで聞くが、カリキュラムをつなげるということも大切だけれど、そもそも幼保小の先生方って同じ概念で議論してないよねということを前提に、適当な概念を見つけて議論をしようと思っている。
例えば評価ひとつとっても、幼稚園だと「良さや可能性」を重視するので小学校の先生方から見たら課題が見えないからどうやって指導したらいいのみたいなことになるらしいし、要録にはいいことしか書いてないから読まないとか言ったりもするらしい。この間最近注目されているらしい幼小接続学校の講演を聞いたのだけれど、最後質問した小学校の先生が「この学校で大切にしている『寄り添い』とか『響き合い』などの言葉が胸を打ちました」とかポエムっぽいことを言っていたのだけれど、それって普通に保育の文化であってその学校だけじゃないですとか言いたくなったけどそっとしておいた。
小学校側も義務教育だからいろいろ説明責任とか面倒なことはたくさんあることはわかっているんだけど、幼保小で子どもを見る視点をもう少し共有できたらいいんじゃないかと思っている。
「研究」カテゴリーアーカイブ
2023年
1年に一度はと思いつつもう大晦日になってしまった。
今年は学内の人事が大きく動いたので忙しかったが何とか終わったようだ。
授業は90分経てば終わるし、実習も11日間やれば終わるし、1年も365日経てば終わるのである。
ただ、もう少しいろいろできたのではないかとも思う。
ファーストは1本だけだし。0じゃないだけいいけれども。
教育面ではコロナの制約が緩和されて学生を4年ぶりに子育て支援センターに連れて行けてよかった。
2年間で質の高い保育士養成をするためには、どれだけ実践と講義の往還を充実させていくかが重要だ。
ChatGPTが考える少子化
少子化時代の「良妻賢母」 : 変容する現代日本の女性と家族
読んだ。
作者はS.D.ハロウェイ。しつけ研究で有名なヘスのお弟子さんです。
日本好きな先生で、これまでも日本の幼稚園についての書籍などを執筆されています。
これまでの「良妻賢母」とは何だったのか、現代の母親はどう考えているのかという問題から始まり、質的・量的研究を通していろいろな示唆を与えてくれます。
しかし、本書では割と子育てを夫婦だけの問題を捉えていて、子育てコミュニティとしての地域の役割の考察がもう少し欲しかったなあというのが率直な感想です。「良妻賢母」の本なので、夫婦の話が中心になってしまうのは仕方ないのですが。
興味深かったのはこの部分
彼女たちが自分たちの努力の成功について、子どもが示す実際の行動にではなく、行動を動機づける規範の内面化(つまり理解すること)を重視している
つまり、「しつけが上手くいった!」と母親が感じるときは、ただ行動が変わったことだけじゃなくて子どもが本心からそう思えているかが大事だととらえているということ。
具体的に例えると、お友達をバシバシ叩いている子どもを叩かないように仕向けられても、子どもが心から「お友達を叩くことは悪いことだ」と思っていないと母親は安心しないということであり、結果的に母親はしつけのハードルを上げて苦しんでしまっているということなのですね。
この指摘は子育てだけでなく、幼児教育の評価のし辛さにも直結していると思う。
他にも
・多くの母親、とりわけ女児の母親が、子どもを大学に通うことを強く望んでいるわけではなかった
・子どもの頃の家庭での社会化の体験が女性が本気で専門職をめざすことをあきらめさせている
・雇用政策が女性を低賃金のパートタイム職に根づかせる
・日本では高等教育が創設されたときから、女性が不利な立場に置かれてきた
などがデータをもとに示されていて、示唆に富んでいました。
以上、メモ
